●質問
3ヵ月付き合った彼氏がフェードアウトして消えました。フェードアウトする彼氏はこれで4人目です。男子はなぜちゃんとサヨナラを言わずにフェードアウトするのですか?
●回答
本当はサヨナラしたくないから「サヨナラ」と言わずに、フェードアウトするのです。
「サヨナラ」と言ってしまったら、「本当になにかが終わる」から、だから静かに消えるのです。
ネットの恋愛コラムで、恋愛を「学習」する人たちが知らないことがあります。それは、恋愛とはセックスだけの関係ではないという端的な事実です。
恋愛とは、本当は、相手に自分を託す、ある意味では終わりのない営為なのです。
そうでしょう?
とくに10代や20代の恋愛は、まだまだ不完全な人間がぶつかり合い、交わり、またぶつかり合うという泥試合みたいなものでしょ? その過程において、わたしたちは、相手に自分を託すでしょう? 相手に自分を見ることもあれば、自分の中に相手が、相手にとっての自分を発見することもあるでしょう?
そのような関係のどこを「はい、今日で終わりです」と、竹を割ったように割り切れるというのですか? そんなの無理でしょ?
だから、男は「サヨナラ」と言わない、のではなくて「言えない」のです。
では、別れに際して「サヨナラ」と言える女子は、相手に自分を託すように恋していないのでしょうか?
この問いに、女子はどう答えますか? ぼくは男なので、女子の気持ちがよくわかりません。
でも察するに、女子はどこかで「彼とはもう今日までだ」と、割り切れているように思います。彼と別れる切れるでぐずぐずした関係を続けていても、ある日、ある瞬間、「はい、もうここまで!」と、割り切れているように思うのです。
あるいは、強制的に割り切るために、意図的に新しい恋人を用意して、その彼と99.9%付き合える確証を得てから、今の彼にサヨナラと言うとか。
いずれにせよ、男は、本当はサヨナラしたくないから「サヨナラ」と言わずに、フェードアウトするのです。
そのような男から、ちゃんと時間にけじめをつけるかのごとく「今までありがとう。さよなら」と言える女子を見ると、すごくオトナに感じるのです。
絶えず「今」という時が訪れる、この地球時間を生きるしかないわたしたちは、本当は、時間に印を刻むように、「さようなら」「こんにちは」と言い合わなくてはならないと、男もわかっているのです。
でも、そのわかっていることがどうしてもできないのです。
だから、無理にでも気を確かに持って「さよなら」と言える女子が、分別あるオトナとして燦然と輝いて見えるのです。