●質問
「なりたい自分」とか「理想の自分」になる方法を教えてください。
●回答
「なりたい自分」とは「憧れ」のことですから、究極的な結論は、なりたい自分にはなれない、無理だ、となります。なぜなら、憧れの本当の本質は無だからです。
が、それでは取りつく島がないでしょうから、少し丁寧に、以下にご説明しましょう。
まず、憧れとはなにか?ということについて。
たとえば、インスタでよく見る「リア充」みたいな女子に自分もなりたいと思う――これが、たとえば、ひとつの「憧れ」ですよね。「あの人みたいになりたい」と思う気持ち、これが憧れですよね。
その憧れとはなにか?
「うまくいっていれば、今頃自分がなっているであろう<もうひとりの自分>」です。
あなたも、どこかのタイミングでお金などの外的環境に恵まれ、また、ポジティブな思考回路に恵まれたら、インスタで見る「あの子」みたいに、今頃キラキラしていたのです。ホントに。
でも、運悪く(?)、あなたは「その」あなたになり、他の誰かが「あの子」になっています。
憧れを「自分のなかにいる<もうひとりの自分>」「そうであったかもしれない自分」と捉えたとき、「憧れ」に対する考え方が変わってきます。
「遠い存在」ではなくなるからです。
憧れが遠い存在だったとき、あなたは憧れの人に対して、多かれ少なかれ嫉妬していたはずです。「ああなりたいのに、なれない」そのなれなさに怒っていたはずです。
でも、「憧れのあの子」は、じつは自分の中にいるもうひとりの自分だと気づいた――そのとき、憧れのあの子を愛せるようになった自分に気づくと思います。
憧れのあの子を愛する気持ち――この気持ちがあれば、わたしたちは憧れとうまく同居できます。別の言い方をすれば、憧れに近づくことができます。
近づく方法?
あなたのこころが自然と教えてくれます。
嫉妬心が消えた今、あなたのこころは、憧れという「漠然としたもの」を、「目標」として「分割」して考えることができるようになっていますから、小さな目標(現実的な目標)を、みずから、いくつも生みだすことができるようになっているからです。
憧れに含まれる嫉妬心に気づくだけで、わたしたちは憧れのあの子に近づくことができるのです。