●質問
急に彼氏に振られました。付き合っている人のことを急に振ることって、なぜできるのかと驚きました。そういう人の脳内って、どうなってるんですか?
●回答
世の中には、自責的な人と他責的な人がいます。
自責的な人は、付き合っている人を急に振ることができません。
急に振ると、相手を傷つけてしまうとわかっているからであり、相手のことを傷つける自分を(いつまでも)責めるからです。
他方、他責的な人は、驚くことに、「身の回りで起こった出来事すべては他人のせい。自分には関係ない」と、「なぜか」思えるのです。
だから、なんらか気に食わないことや不都合なことがあれば、パッと相手を振ります。「じゃ、別れよ」となります。
そのことで相手が深く傷つくことを想像するのかもしれませんが、でも想像したところで、彼(彼女)は他責的な性格だから、「傷つくのは相手がよくないからだ」と思います。
自責的な性格か他責的な性格かというのは、おそらくもって生まれたものと、幼少期の親の育て方によるのだろうと思います。
自責・他責について、頭から白煙がのぼるほど考えたのはキルケゴールという哲学者ですが、彼だって、それが先天的なものなのか、後天的なものなのかについては言及していません。したがって、両方の要素による、と見るのが妥当ではないかと思います。
急に交際相手を振ることができるとか、1回セックスした相手に急に冷たくして2回目のセックスをしない人というのは、他責的な人です。
ぼくは正直うらやましく思います。
「はい、これで終わり」と割り切って、次の男と嬉々としてセックスを楽しめる、そんな性格の女子として生まれてきたかったとすら思います。
しかし、他責的な人は、人の心の機微が死ぬまでわからないゆえ、芸術を心の底から楽しむことができません。
その意味では、自責的な性格に生まれてよかったかもしれない、と思います。
が、セックスしたいと思えば半裸で男に接近してセックスし、「こいつもう飽きた」と思えば、その男をポイ捨てし、他の男とセックスを楽しむ――こういう「最強の女」にはかなわないなあ、とも思うのです。