●質問
自己肯定感ってどうやったら上がるんですか?
●回答
自己肯定感って「自分のこと大好き!」とか「明日も生き生きと生きよう!」とかという、気持ち悪いポジティブな感情のことではありません。「まあ、しかたない。明日も『この自分』を生きようかな」と思える、「まあまあポジティブ?」な感情のことです。
つまり、自己肯定感って「今のこの自分」を生きるしかないから、まあそれを生きようか、という気分のことです。
自己肯定感が低いとき、わたしたちはしばしば「自分のことが嫌い」と思います。「この自分」ではなく、なんらか理想とする「別の自分」になりたいと思います。その気持ちが大きくなっている状態、それが自己肯定感の低い状態です。
わたしたちはどの親から生まれてくるのかを選べません。育つ環境も選べません。地域によっては行く学校も選べないし、兄弟姉妹だって選べない。そんな選べないことだらけのなかで「この自分=今のあなた」はかたちづくられました。そんな自分、好きになんかなれないよ。こう思う人が、自己肯定感の低い人です。
そんな自分でもまあしかたない、親は選べなかったけど親だって子を選べないのだし、親には親のなんらかの事情というものがあったから、わたしをあのように育てたのだろう……たとえばこんなふうに「あきらめる」ことから、自己肯定感は少しずつ上がっていきます。というか、より正確には、マイナスがゼロ地点に戻ります。
ゼロ地点に戻ったとき、たいていの人は「この自分のことがあまり好きではないけど、でもまあ、この自分を生きる以外に道はないのだし、今日もこの自分を生きてみようか」と思えるようになります。
自己肯定感って、たったそれだけのことなんです。科学の心理学がなんと言おうと、この自分を生きるしかないと思えること、それが自己肯定感なのです。