●質問
わたしはセックス依存症です。コロナでセックスできなくてつらいです。どうすればいいのでしょうか？

●回答
これは、命がけでセックスするか、ひとりでオナニーするかの二択でしょう。
真面目、かつ、根本的なことを言うなら、コロナの影響のある今とは、自分の人生に絶望しているその心的状態をどうにかする、またとないチャンスだ、ということです。

セックス依存症の人って、セックスしているときが、もっとも生きている心地がする、といった特徴をもっています。ようするに、漠然とした淋しさを抱えていて、セックスしている最中はそれを感じなくてすむので、とにかくセックスできる状態を求めるのです。
すなわち、問題の中心は、セックスしてしまうことではなく、漠然とした淋しさなのです。

漠然とした淋しさは、人肌のぬくもりを感じているとき、消えてくれたような気がします。
また、誰かと物理的にひとつになっているとき、漠然とした淋しさが消えてくれているかのような錯覚をします。
でも、セックスが終わってパンツを穿く頃、そいつはまたやってきます。セックスしているとき以外は、どこにいても、誰と一緒にいてもついてくるのが、漠然とした淋しさだからです。

だから彼女は、ふたたびセックスできる日を夢見ます。その日がずいぶん先であるなら、家に帰って誰かとテレフォンセックスします。それくらい、漠然とした淋しさを抱えているというのは「つらい」ことだからです。

さて、漠然とした淋しさを消す方法――すなわち、セックス依存症を卒業する方法は1つしかなく、それは過去にことを忘れることです。忘れるように努力することです。
彼女はなぜセックス依存症なのか？　すなわち、彼女はなぜ漠然とした淋しさを抱えているのか？　それは過去に心がつながれているからです。
つらかった経験、たとえば親との不和、たとえば彼氏に急に振られた痛み、意に染まない支部署への異動、受験の失敗――そのようなものに心がつながれていると、人は自然とセックス依存症になるのです。頭では「セックスに依存してはいけない」とわかっていても、どうしても依存してしまうのです。

過去のことを忘れるクセをつけること、済んだことは済んだこととして、「まっさらな今」を生きること――こういったことを意識することで、少しずつセックス依存症を卒業することができます。