●質問
男子って、セックスの最中になにを考えているのですか?
●回答
まず、「考えていること」ではなく、「感じていること」について述べるなら、それは「やわらかい!」「あたたかい!」の2つです。
女子の身体って、やわらかいじゃないですか。男にはないやわらかさを、女子の身体は持っていますね。だから、彼はやわらかいと感じます。
同時に彼は、あたたかいとも感じます。女子の「中」に入ったら、文字通りあたたかいから。
もう少し概念的なことを言うと、男子はセックスの最中に驚いています。女子のそのやわらかさとあたたかさに驚いています。
――この世にこんなに平和的にやわらかなものがあったんだ! 癒しという言葉を超えるほどあたたかいものがあったんだ! 俺は今までなにをやってきたのだろう。どうしてはやくセックスをしなかったのだろう? しなかった? いや、できなかったんだ。嗚呼、このぬくもりたるや!
という感じで、彼は驚いています。
その驚きは、彼の世界を開きます。
彼女のやわらかさとあたたかさが、彼の世界を文字通り開くのです。
今まで知らなかった愛の世界に飛翔する、というのは、端的に、彼自身の世界が広がる、ということだから。
というようなことを、まるっとまとめると、彼はセックスの最中に彼女に感謝していると言えます。
――彼女がセックスさせてくれる前の俺は、冷たくて硬い世界にひとりでいた。それが、セックスさせてくれた途端、こんなにもやわらかくあたたかく俺のことを迎え入れてくれた!ああ、彼女よ、ありがとう。このやわらかさとぬくもりよ、永遠に!
じつはこのようなことを、彼はセックスの最中に考えているのです。
世間ではよく「男は女であれば誰とでもセックスする」とか「男は自分がイクことだけに気持ちが向いているから、自分勝手なセックスしかしない」などと言われますね。
むろん、そういう傾向が男子にないとは言いません。あるでしょう。
でもその奥を覗くと、先に述べたような意味での驚きや感謝が、じつは彼の心を支配しているのです。
俺の世界を開いてくれた――この驚きと感謝が、たとえば、彼女を大切にするという行為につながるのです。彼女ではなく風俗嬢がセックスの相手だと、男はその風俗嬢にハマるのです。
男にとってセックスとは、だから、驚きと感謝なのです。