●質問
彼氏が浮気しないかとか、わたしのことが嫌いにならないかとか、なんか彼氏のことが不安です。具体的に彼になにかされたわけではないのですが……。
●回答
人ってふつうに生きていれば不安なんです。というか、不安で当たり前なのです。
不安じゃない人というのは、あることをやっているから不安なのです。
ところで、不安について徹底的に考えた人に、キルケゴールがいます。彼が書いた『不安の概念』という本は、読み継がれてかれこれ200年ほどになります(200年にはあと20年ほど足りませんが)。
キルケゴールは、不安の正体とは無だと言います。ようするに不安とはなにもない状態のことだと言うのです。だから不安は不安だと。
では、不安である状態を抜け出そうと思えばどうすればいいのか?
これについてもキルケゴールは答えを述べています。
すなわち、あれかこれかのどちらかを今選びなさいと。
わたしたちは、たとえば、「彼氏のことを不安に思う自分」であることもできるし、「起こってもいない未来を不安で塗り固めないでもっと自由に生きること」もできますね?
自分でどちらかを今選択すればいいだけのことです。
でも、彼氏のことを不安に思っている人は、その、とても簡単な選択ができない。後者、つまり自由に生きることを選択すればいいとわかっていて、できない。
で、話が冒頭に戻ります。
冒頭に「不安じゃない人というのは、あることをやっているから不安なのです」と書きました。
「あること」とは、選択です。それもただの選択ではなくて「自分がどう生きればいいのか知った上で」「よりいいほう」を選択的に生きているのです。だから不安がない。あるいは不安があってもそんなに大きな不安ではないのです。
自分がどう生きるといいのかを知るというのは、日々自分の未来がよくなると信じることと同義です。それはまた、自分のまわりのあらゆることに感謝することと同義です。
つまり、自分の周囲の人やものに感謝しつつ暮らすと、彼氏のことがなんとなく不安な気持ちを卒業できるのです。