●質問
ヤリチン男子って、ぶっちゃけ虚しくないんですか?
●回答
ぶっちゃけ、虚しいですよ。
最初のうちはいいんですよ。
この子とセックスしたい!と思って、頑張って口説いてセックスできたら嬉しいんです。
でも、「この子とセックスしたいと思う→頑張って口説く→実際にセックスできた」というサイクルをずっとしていたら、やっていることがルーティーンになるんですね。
だから、「また頑張って口説くのか。ちょっとしんどいな。また同じことの繰り返しになるしな」と思うようになります。
でも彼は、その「また……」という思いを瞬時に消し去り、頑張って口説きます。これは条件反射みたいなものです。クルミと見たらすぐ手が出るリスみたいなものです。
で、さらに、実際にセックスする段になると、彼は「またセックスか」と一瞬思います。
がしかし、ここでも彼は条件反射です。クルミ→手が出る。リス。
ではなぜ、彼は自省する気持ちを持ちつつ、セックスばっかりしてしまうのでしょうか?
答えは、彼が自分の人生に絶望しているからです。
絶望している人は、「新しい自分」になりたいと常に思っています。
だから新しい女子を探して、その子とセックスします。
つまり、新しい女子とセックスすることで、彼は「新しい自分」になれるように思う(錯覚する)のです。そういう可能性を、新しい彼女とのセックスに託してしまうのです。
でも、実際には、セックスの後、彼は「そのままの彼」でしかありません。セックスの後「俺は新しい男に生まれ変わったぞ!」と諸手を挙げてプラトーンみたいに喜悦するのは、童貞卒業の時くらいです。
でも、彼は自分に絶望しているから、「そのままの自分」でしかないという事実を見ないふりをして、また新しい女子を口説いて、その子とセックスします。今度こそ新しい自分になれるかもしれないと夢見て。
要するに彼は心のビョーキなのです。
が、ここで言っておくべきことがあって、それは、大なり小なり、「みんな」それぞれに「ビョーキ」だということです。
つまり、人はみなそれぞれに、ちょっとずつおかしいのです。
だから愛おしいのです。