●質問
マッチングアプリで出会った男子とセックスしたあと寂しい気持ちになるのはなぜですか?
●回答
「やっぱり<違う人>だったんだ」と思うからです。
どういうことか? 説明しますね。
マッチングアプリでセックスの相手を探す、というのは、なにをしているのかといえば、自分の淋しさを癒してくれる相手を探している、ということです。
あなたは、なんとなく淋しいから、マッチングアプリで「淋しさの穴」を埋めてくれる相手を探しています。自分の指やバイブで埋めても、けっして埋まらない淋しさの穴を埋めてくれる相手を探しています。
で、「まあまあ」いい相手に出会ったとしましょう。
まあまあいいというのは、この男性とならセックスしてもいいかな(淋しさの穴を埋めてくれるかな)という相手です。
あるいは、自分と似たような淋しさを抱えてそうな男性だから、なんとなく雰囲気が盛り上がって、楽しくセックスできるかな、というような相手です。
で、実際にセックスしても、淋しさの穴は満たされないどころか、肥大化したように感じます。
なぜなら「やっぱり<違う人>なんだ」と、お互いに思うからです。
違う人というのは、「自分にぴったりの相手ではない」という意味です。
セックスという行為は、相手の魂の秘密に分け入る行為です。
相手の「亀裂」の中に分け入るのではなく、「魂」の秘密に分け入る行為がセックスです。
分け入ってしまえば、いくつかの秘密を知ることができます。その、知った秘密を愛でてあげることができます。
がしかし、魂というのは、深くて広い海みたいなものだから、そのすべてを知ることはできません。
その「知ることができなかった部分」が、わたしたちに「さらにひどい淋しさ」をもたらすのです。この「さらにひどい淋しさ」のことを、一般的に「孤独」と呼びます。
では、知ってしまったこと、かつ、愛でることができた部分はどうなのかといえば、「それ以上愛でることができないかも」と思うようになります。
誰にとっても、相手の淋しさは、相手の淋しさであって、自分の淋しさではないからです。言い方を換えると、淋しさとは、自分でどうにかするしかない感情だからです。
だから、「中途半端な」セックスをすればするほど、わたしたちの心はすさんでくるのです。
というわけで、相手の魂の秘密に触れることによって「やっぱり別の人間なんだ」と思い知ってしまうから、マッチングアプリで出会った相手とセックスしたあと、寂しい気持ちになるのです。