●質問
コロナ禍において、なにかがなんとなく不安です。どうすれば気持ちがすっきりしますか?
●回答
コロナ禍によって生活が一変し、これまでと同じような生活がこの先もできないのではないか? といった不安。あるいは、外出制限によって、友だちと会えないことから来る不安。その他、いくつかの不安を、多かれ少なかれ、みなさんが抱えておられると思います。
さて、不安なときはどうすればいいのか?
答えはいくつもありますが、ここでは「考える」といい、という答えを提示したいと思います。
悩む、ではなく、考える、です。
悩むというのは、同じところをぐるぐると回ることを言います。「なんか」不安、「なんか」彼氏がいても淋しい……ああ、不安だ、ああ、淋しい。こう思って、自分のこころのなかをぐるぐると回ることを悩むといいます。
他方、考えるとは、外に開かれることです。それを通して、他者とつながることです。
考えるには、まず「問い」を立てることから始めなくてはなりません。
たとえば、「わたしはなぜ不安なのだろう?」とか。その問いでは答えが出そうにないと思えば、「不安ってなだろう?」という問いにするとか。
どのような問いでもいいので、まずは、一行で言い表すことのできる問いを立てること。これが「考える」第一歩です。
問いができれば、それについて書いてある本を読んでください。たとえば、問いをそのままAmazonの検索窓に打ち込むと、それらしいタイトルの本が検索結果として上がってきますので、それらの本のなかから、これはと思う本を選んで読んでみてください。
本を読むとか、考えるといった「努力を要すること」「苦痛を伴うこと」を、わたしたちは排除しがちです。
しかし、それをしないと、人は悩むしかなくなります。
しかし、悩んだが最後、人は「ぐるぐる」から抜け出せなくなります。苦しみます。自分を責めるようになります。そうなると「出口」がなくなります。
なぜなら「悩む」に出口はないからです。
悩むのではなく、考える――これが「なんとなく不安」な気持ちから脱するもっとも確実な方法なのです。