●質問
子どもを過保護に育ててしまいそうで自分が怖いです。どうすればいいですか?
●回答
すぐれた心理学の回答の1つに「過保護な親は最高のウソつきを育てる」というものがあります。
過保護に育てられている子どもって「すべて」をわかっている、ということです。たとえば、過保護に育てられている子は、親が自分に「いい子」でいることを期待していることを知っています。その期待に応えないと、親がどれほど嘆き悲しむのかも知っています。親がじつは「病んでいる」ことも知っています。もう「全部」を知っているのです。
同時に、過保護に育てられている子どもは、どういうわけか優しい。だから、自分が親が期待する「いい子」でいられないと、親が悲しむと即座に直感します。同時に、親を悲しませてしまう自分を責めます。
以上のことによって、過保護に育てられている子どもは「ウソつき」になります。親を悲しませないような物言いをする術を覚えます。
このようなことは、特段、科学的に説明せずとも、あなたの周囲にいる「ちっちゃな優等生」を見れば即座に理解でき、納得できることでしょう。
さて、では、どのような子育てをすれば子を過保護に育てずにすむのでしょうか?
1つには、親自身が「病んでいる状態」から「ふつう」の状態に変わればいい、すなわち、親の人間教育、しかも自分で自分を陶冶(とうや)する人間教育によって、という答えがあります。
子を保護することを通り越して「過」剰に保護する背景には、親自身の「病み」があるからです。それを自分でどうにかすることです。
それがむずかしければ、「親」という文字をよく見ることです。
親という字は「木の上に立って見る」と書きます。「見る」んです。親って。
わかりますか? 過剰に言葉をかけるとか、過剰に手助けをするのではないんです。ただただ「見る」のです。見るという行為は「黙って見る」ということです。
一般化して言うなら、黙って見る、黙って見守る、ことのできない大人が増えている時代です。
そういう社会に対して、本項が言えることはたった1つです。
黙れ!