●質問
性欲ってどうやってコントロールしたらいいんですか？

●回答
コントロールのしようがないから「欲」なんですよ。コントロールできないから、人々は毎日せっせとオナニーするわけでして。
ただ、１つコントロールのようなことができる方法があり、それは自分の性欲の構造を知るという方法です。

私たちの多くは「なんか寂しいからセックスしたい（でもセックスする相手がいないからオナニーでも）」と思います。つまり、なんか寂しいという感情をきっかけにして性行為を希求します。これをキルケゴール心理学は「反抗のためのセックス」と呼びます。

なんか寂しいという感情は、たとえば「生まれ持った能力の限界」に戦いを挑もうとする（負けるとわかっていて戦おうとする）」気持ち、すなわち反抗心から生じるとキルケゴール心理学は言います。

たとえば、プロのピアニストになりたいと思って、でもなれなくて、なんか寂しくて、キャバ嬢バイトをして、気に入った客とセックスする女子がいますが、彼女は生まれ持った能力の限界に反抗しているのです。別の言い方をするなら持って生まれた「使命」に気づかないからプロのピアニストしか職業はないと思ってしまっており、それになれないと認識するや自暴自棄に生きはじめるのです。

多くの人が性欲と呼ぶものは「なんか寂しい」という気持ちから生まれます。なんか寂しいからセックスしたい、でも相手がいないからマッチングアプリで探そう、みたいなことです。

そのなんか寂しいという感情は「持って生まれた能力の限界」を認めることで少し和らぎます。そして最終的には「持って生まれた使命」に気づきます。使命に生きると、不思議なことに、過度に性欲に振り回されずに済みます。
というようなことを、フロイトの心理学が誕生する50年も前に、キルケゴールが言っています。
なんかわかるでしょう？