●質問
自己肯定感を上げる本をたくさん読んでますが、一向に自分のことを好きになれません。一体どうすれば自分のことを好きになれるのか教えてください。
●回答
自分のことを好きになるっていうのは、「この自分」のことを好きになるということです。しかし、たいていの人は、「この自分」のことが嫌いなので、自己肯定感を上げることができません。
ではなぜ、「この自分」のことが嫌いなのかといえば、その理由は2つあります。
1つは「選べないこと」を受け入れることができない、その自分が嫌いだということ。2つ目は、心の中の悪を持て余している自分が嫌いだということです。順番に説明しましょう。
私たちは選べないものをたくさん持っています。例えば顔。顔は選べません。身長も選べません。その悩み深い性格も選べません。生きる不器用さをたっぷり持って器用に生きることができない、その性格も選べません。選べないものを嫌だ嫌だと言っている状態、これが自分のことを好きになれない状態です。
2つ目の心の中の悪を持て余している自分について。
私たちは「親に感謝しなくてはいけない」という善を知っていても、なぜか「私をこんな性格で、こんなルックスで産んだ親は嫌だ」と悪のことを考えてしまいます。
あるいは、親が納得する彼氏と付き合うべきだという善のことを思いつつ、同時に、親が納得しないイケメンでセックスがうまい男とつい遊んでしまうという悪の自分を持っています。
つまり、選べることと選べないことの間に生じる葛藤。それと、善と悪の間に生じる葛藤。この葛藤が自分のことを好きにさせてくれないのです。
ということは、その葛藤をどうにかすればいいわけですが、その方法は1つしかありません。葛藤を葛藤としてそのまま生きるという方法です。
それは具体的にどのような生き様なのか?もっともわかりやすい答えは「No」と言うことです。
日常さまざまなことがある中で、これはやりたくないと思ったことについて細かく「No」と言うこと。友達が「今週末遊びに行こうよ」と誘ってきた場合、あなたが今週末はどこにも出かけたくないのであればNoと言うのです。
そのような、小さな「No」を言う、すなわち、細かいところで自分の意見を主張することによって、少しずつ選べなさや悪を受容することができます。
私たちの心は、なぜかそのようになっているのです。