●質問
プライドが高い男性の深層心理を教えてください。私は接客業をしていますが、ときどきプライドが高すぎる男性がいて、ものすごく疲れます。
●回答
プライドが高い男性の深層心理は、「こうありたい自分」と「この自分」の折り合いがついていないというものです。
誰しも「今よりマシな自分」になりたいと思っています。すなわち「こうなりたい自分」「こうありたい自分」というものを持っています。
それは表立って、言葉や振る舞いで表されることは少なく、たいていは、皆さんそれぞれに、胸の内にひそかに隠し持っているものです。
それは心理哲学において「永遠」と呼ばれています。
その永遠と、「この自分」、すなわち「こうでしかない自分」との折り合いがついていないと、人によってはプライドの高い振る舞いが目立つようになります。
たとえば、「こうありたい自分」が「東大を卒業して立派な会社で働いている自分」だとしましょう。それに対して、彼の実態、すなわち「こうでしかない自分」は、「地元の小さな中小企業で働いている」としましょう。
その彼が、極めてプライドの高い振る舞いをするというのは、「おれは本当は東大に行けるだけの能力があるにもかかわらず、こんなちっぽけな会社で働いている。しかし、おまえら、おれは東大に行く能力があるのだから、東大を卒業した人間としておれのことを扱え」と思っているということです。
要するに、彼は面倒くさいヤツなのです。
しかし、これまた心理哲学の方面から言えば、彼はかわいそうな人です。
なぜなら、常に心の奥底で「さみしい」と思っているからです。
こうありたい自分を誰ひとりとして認めず、この惨めな自分にばかり人々は声をかけてくる。ああ、こんな自分はイヤだ。死んでしまいたい。こんなことを彼は思っていたりするのです。
ちなみに、プライドが高い男性を接客する際に有効なのは、彼が心に抱いてる「こうありたい自分」に向かって接客するということです。
先ほどの例で言えば、「中小企業の男がやってきた」ではなく、「東大を卒業した優秀なエリートサラリーマンがやってきたのだ」という意識で、あなたがその人のことを接客すれば、彼はものすごく心を開いて、もしかすれば大金を落としてくれるかもしれません。