●質問
恋愛ってなんであんなに面倒くさいのですか?
●回答
なかなかいい質問ですね。
恋愛って、自分の心の中の嫌な感情とか、嫌な自分を、どうしても見ることになってしまうので、面倒くさいのだと思います。
他にも答えがいくつか想定されますが、今回はこの答えについて、やや具体的にお話しようと思います。
相手、すなわち彼氏って、自分を映す鏡です。例えば、すごくおとなしくて真面目な女子が、やんちゃな彼氏と付き合っていることがありますが、それはそのすごく真面目で、おとなしい女子の心の中にいる「もう一人の自分」なのです。
つまり、彼女は、表向きはおとなしく真面目に振る舞っていますが、心の奥底では、親とか学校の先生の顔色など、まったく気にすることなく、もっとやんちゃにファンキーに生きたいという願望を持っているのです。
その彼女の心の中にいる「もう一人の自分」と、彼女は付き合っているということです。
もう一人の自分と付き合う時、しばしば生まれたままの姿になって付き合うことがありますね。それはすなわち、自分を見ている、自分を感じているということを意味します。
これがおそらく面倒くさいのだろうと思います。その「もう一人の自分」というのが、自分の理想どおりには動かないからです。
自分では意識していなかったけど、ものすごく性欲の強い自分であったり、抑えようもなく嫉妬する気持ちを抱いてしまう自分であったり、とにかく普段の「いい自分」、すなわちコントロール可能な自分を超えて、もう一人の自分は自由に振る舞います。
「もう一人の自分」をコントロールするのが非常に難しい。だから恋愛って面倒くさいのだと思います。
それ以外の答えとして、恋愛というのは、どうしても性を直視せざるを得ない、という理由もあります。性というものは、人に自信をもたらすと同時に、絶望感をもたらすこともあります。だから面倒くさいということも言えます。このことについては、別の項で詳しくお届けしたいと思います。
※参考 『自分を愛する方法』玄文社(2020)拙著