●質問
自慢話をしてくる男性の気持ちについて解説してください。
●回答
自慢話をしてくる男性の深層心理には2つあります。
1つはモテたいというものです。自慢話をする、すなわち自分自身を大きく見せることによって、女にモテたい、やりたい。やらせてほしい。これが1つめの気持ちです。
この気持ちについては皆さんよく理解できると思うので、これ以上の解説は必要ないでしょう。
2つめ。
「こうありたい自分」と「この自分=こうあるしかない自分」の折り合いがうまくついておらず、それゆえ、絶えず「なんかさみしい」と思っている。
俺は本当はこんなチンケな男ではない。もっと立派な男なのだ。そのことをわかってくれよ。という男心が、彼をして、自慢話をせしめるわけです。
男女問わず、人間には「こうありたい自分」を想起させる心の働きがあります。
例えば、女性であれば、学校の先生が風俗のアルバイトをしているのがバレたという報道がしばしばあります。
実際には、地味で真面目な学校の先生をしている女性が、本当は、男にちやほやされて気持ちいいことをたくさんする自分でありたいと思っている。だから、風俗のアルバイトをする。という説明が、精神分析的に可能です。
もちろん、推し活にお金を使いすぎたり、美容や洋服にお金を使いすぎたりして借金があるので風俗バイトをするという原因もあります。しかし、「借金があるイコール風俗バイトをする」という発想にならない人も世の中には大勢いるわけです。
そういったことを考慮すれば、じつは地味で性的な満足を得ることのできない学校の先生よりか、風俗のアルバイトをする女性のほうがいい、と、彼女が心の中で、あるいは深層心理において考えている。こういったことが言えます。
男もまったく同じです。
本当は、ベンチャー企業を立ち上げて、やんちゃに派手に儲かっている自分でありたいと思いつつも、実際には、今勤めている会社を辞めることができず、上司の言いなりになり、上司にゴマをするつまらない男になっている。このギャップをどうにかしたいと思って常に喘いでいる。その喘ぎが、自慢話を彼にさせるのです。
彼の悲哀を受け止めてあげることができれば、あなたは彼からモテると言えます。
もっとも、自慢話をするような男にモテたいのか? という疑問は残りますが。