●質問
変態は世界を救いますか?
●回答
はい。変態は世界を救います。
変態というのは、相手の嫌がることをする人のことをいうのではありません。
例えば、相手が嫌がってるのに電車の中で痴漢をする人を変態とはいいません。彼はただの愚か者です。
変態というのは、社会的に大っぴらに見せることのできない性癖をお互いに認め合う人たちのことをいいます。
例えば、乳首だけでイかせてほしいです、というリクエストを女性向けの性感マッサージ店のスタッフにお願いする女子は、素敵な変態さんです。こういうのは誰にも迷惑をかけていないからです。
ふだん人に言うことのできない性癖を、お金を払って満たしてもらう。満たす側もお金をもらっているわけだし、ある程度は自分の仕事が好きでやっているのだから、誰にも迷惑をかけていません。こういうのを素敵な変態といいます。
では、なぜ変態は世界を救うのでしょうか?
ふだん人に言えない性癖を誰にも迷惑をかけることなく満たすこと(満たし合うこと)によって、私たちは他人に優しくなれるからです。
だから、例えば、これから戦争をはじめようという暴君がもし変態であるとするなら、彼の変態なところを誰かが満たしてあげればいい。そしたら彼は優しい気持ちになって、戦争をはじめるという自分の決断を疑うようになるはずです。
変態というのは性癖の問題であり、性癖というのは、じつは精神分析と深く結びついています。つまり人格形成と深く結びついているのです。
自分が変態であること、あるいは性欲が強いことを、まずは自分で認めること。そのことを他人に迷惑をかけることなく共有すること。そしてお互いに仲良く変態なところを癒し合うこと。
じつはそれが、真に世界を救うのです。
「一発ぶっ放して気持ちよかった」とか「乳首だけでイかせてくれて気持ちよかった」とか、そういった自分の欲望だけの問題ではないもの。
それ、じつは変態の本質なのです。